獣になれない私たち 頑張れガッキー 172

さようならツクモクリエイト

リベンジ編

社長にコーヒーを入れて持っていく深海(新垣 結衣

「社長、話を聞いていただけませんか。長門朱里さんから退職届を預かって来ました。受理願います。」と、手渡す深海(新垣 結衣

「一瞬やったな~。」と、ぼやく九十九(山内 圭哉

「社長は私たちの事どう思っていらっしゃいますか?」と、口火を切る深海(新垣 結衣
「どうって、社員やろ」と、口をとがらせる九十九(山内 圭哉

この時間になると、出勤し始め、SEの佐久間(近藤 公園)、上野(犬飼 貴丈)、松任谷(伊藤 沙莉)が注目して見ていた。

「社長が言うように、社員は代えが利きます。だけど、私達にとっても上司は代えが利くんです。社長の怒鳴り声は、まるで恫喝です。」と、言い始めた深海(新垣 結衣

「俺かてな、仕事がきちっと出来とったら、怒鳴ったりせんわい。」と、反論する九十九(山内 圭哉

「普通に話してほしいんです。矢継ぎ早のメールも追いつけません。」と、要望する深海(新垣 結衣
「普通のスピードやろ。 どんなけちんたらしゃべったらええねん」と、反論する九十九(山内 圭哉

「みんなが、社長と同じじゃないんです。」と、分かって欲しい深海(新垣 結衣)は言った。
「おまえらが、ボンクラなんじゃ」と、半ギレし始める九十九(山内 圭哉

「社長以外全員ボンクラなら、社長の言葉は、社員の誰にも通じてない事になります。」

激論を交わす社長の九十九(山内 圭哉)と守護神の深海(新垣 結衣)を見守るギャラリーは、いつしか全スタッフ、全SE迄もが見守る中続けられた。

「悲しいと思いませんか。」と、社長の心に訴えかける深海(新垣 結衣
「な、なにおぅ」と、たじろぐ九十九(山内 圭哉

「私は悲しいです。社長と言葉が通じなくて、一方通行の関係はしんどいです。私は、社長の下で働く人間です。人間。人間だから、嬉しかったり、悲しかったり、間違えたりもします。もう、限界って思ったりもします。」と、最後の言葉にした深海(新垣 結衣

「今まで、お世話になりました。」と、感謝を述べる深海(新垣 結衣

「自分を殺して、本当に死んでしまう前に辞めます。ちゃんと引き継ぎはします。」と、筋を通す深海(新垣 結衣

「失礼します」と、言って後ろを振り向かない深海(新垣 結衣
「ちっと待て深海。こっ、こん南認めへんぞ。何が不満やねん」と、ためられたら困る九十九(山内 圭哉)は説得しようとする。

深海(新垣 結衣)さん、辞めるつもりだったんですよね。最後に言い争って何してんすか
深海(新垣 結衣)さん、リベンジですか?誰の為に激論してるんすか?
深海(新垣 結衣)さん、おき土産っすか。のこりっぺっすか。まさか守護神なんすか

深海(新垣 結衣)さん、九十九(山内 圭哉)さんは、ちょっと声が大きいのと関西弁がきついだけですねん。関西なら普通にこんな会社山ほどありまっせ。『辞めたらええ。さっさと辞め、今すぐ辞め』は、テンポもリズムもあって楽しくなりませんか。関西弁を理解していないのに関西弁を責めるのは、関西弁に対する冒涜ですよ。ただの言葉の文化の違いやよ

それより、後引いて、ウジウジ物言うこと無いでしょ。重箱の角突っつくような事言わなんでしょ。接待で寝てしまう社員(犬飼 貴丈)を雇い続けてるんですよ。何も言わずに突然スパっと切られて辞めさせられる会社やないでしょ。ある意味人情派ですやん

社員が、社長に高い壁つくって、何も見てないだけちゃいますのん。だから本質を見抜けないですわ